錆の収穫

デザイナー:studio yumakano / 狩野佑真

素材:鉄板、銅板、アクリル樹脂

プロセス : 錆びた金属板の表面にアクリル樹脂を蓄積させ、金属板からアクリル樹脂を剥がす事で、錆のみをアクリル樹脂に転写させる。その後、錆を剥がされた金属板を海水に浸し再び錆させることで、何度も錆の模様を写し取ることが可能。

 

防錆はモノ作りの長い歴史において永遠のテーマであり、錆の影響は飛行機を墜落させ、船の速度を落とし、車のエンジンを故障させ悪者とされてきた。だが、その錆をよく見ると様々な色が複雑に混ざり合い非常に美しい模様であることに気づく。 そこで自然の錆模様を量産しプロダクト製品へ利用できないかと考えた。金属板から錆のみをアクリル樹脂に転写させる技法を開発し、錆を剥がした金属板を再び海水に浸し新たな錆を作り出す一連の工程は、まるで農作物を収穫するのと同じサイクルで錆の模様を収穫している。自然の錆を扱いながらも、生産性・流通性・コスト面なども考慮し、形だけのデザインのみならず生産体制までをトータルでデザインした。

 

前回の実験(2017 Salone de Mobile “Ventura Lambrateで発表)

錆の採集

錆と素材 / 錆の採集



コメントは受け付けていません。