錆と素材 / 錆の採集

デザイナー:studio yumakano / 狩野佑真

素材:鉄、真鍮、銅、カッティングシート、アクリル樹脂

プロセス:防錆塗装とカッティングシートにより金属素材への錆の発生をコントロール。錆びた金属素材の表面にアクリル樹脂を蓄積させ、金属素材からアクリル樹脂を剥がす事で、錆のみをアクリル樹脂に転写させる。

 

防錆はモノ作りの長い歴史において永遠のテーマであり、錆の影響は飛行機を墜落させ、船の速度を落とし、車のエンジンを故障させ悪者とされてきた。だが、その錆をよく見ると様々な色が複雑に混ざり合い非常に美しい模様であることに気づく。

そこで、錆の発生をコントロールし錆自体で模様を描いたり、様々な環境で発生した美しい錆を採集できないかと考えた。錆の発生をグラフィカルなパータンとして落し込み、金属本来の質感や色と、その素材が錆びた後の色が同一面に存在することで、素材と錆の対比の面白さや、長い時間と共に変化する錆の模様を楽しめる、塗装では表現することができない生きたテクスチャーとなった。また、錆を封じ込めたアクリル樹脂は、金属と違い光が透過するため美しく、長い年月と共に変化する錆の時間を止めたような素材となった。



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