Maillard

デザイナー:broom

素材:うるち米、小麦、石粉粘土

プロセス :石粉粘土をベースに、食材に含まれるアミノ化合物と還元糖を調合し、従来の陶芸と同様のプロセスを経て成形、その後加熱する。食材の持つ「焦げる(メイラード反応)」という特性を実用的な材に発現させる。

 

食べられるか食べられないか以外の視点で食品と実用品を比べてみると、両者の違いは紙一重である場合が多い。事実、竹はその成長度合いで食品にも家具にも化けるし、現在生産されているほとんどのチューインガムの主成分はプラスチックである。食品から実用品へ、または実用品から食品へ、

その特徴を応用し、価値へと転化できる例がまだまだ隠れていると直感した。

そんな好奇心からくる探求の足がかりとしてまずは、食材の持つ「焦げる」という特性を実用的な材に発現させる実験を行った。材は、従来の陶芸と同様のプロセスで成形できるように調合し、その生産性を保ったまま、表情だけに新たな価値を見出す。

その性質は陶芸品だが、表情は菓子さながらであり、まさに食品と実用品のあいだを漂う唯一無二の素材となった。



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