equilibrium

デザイナー:村越淳

素材: アラカワグリップ・ワイヤー×木材・アルミ・PA12GB

プロセス:連なった中空のユニットにワイヤーを通し、両端をグリップで締めることで、一本の長い線状の物体を創り上げている。そこではグリップを介してワイヤーの引張応力とユニットの圧縮応力が均衡して同時に存在している。また、各ユニットの歪んだ端面や曲がった接続パーツは、連結させることで自然と直線にならず不規則に暴れ出すことに寄与している。二股パーツを用いることで、線は枝分かれしていき、よりダイナミックに無限の表情を作り出すことができる。

 

重力に抗うように細く長く伸びた線には見る者を惹きつける美しさがある。日本には線に対する美意識が高くなる素地が整っており、華道と西洋のフラワーアレンジメントを比較してみれば、その求められる美の方向性の差異は一目瞭然である。本作品は、線をプロダクトとして成立させるための実験的な試みである。不規則に折れ曲がる線をユニットの連結により生み出し、グリップを介してワイヤーの引張応力とユニットの圧縮応力を均衡させることで、重力に抗えうる繊細な存在を空間に出現させている。本機構の下に様々なプロダクトのシリーズ化が検討されている。



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